黒猫珈琲焙煎所について

黒猫珈琲焙煎所について

黒猫珈琲焙煎所は、北海道富良野市・島ノ下という20世帯に満たない小さな集落に拠点を置く、マイクロロースターです。
各所で公言している通り”本業は鍼灸師”で、焙煎は趣味と生活費の節約目的で令和6年4月に始めました。
最初は自分用に焙煎するだけのつもりが、気がつけば焙煎スペースが裏庭に運ばれ、自作の焙煎機も導入。
食品衛生責任者講習を受け、保健所に届出も出して、いつの間にか正式開業していました(笑)

焙煎スタイルは「直火式」、そして「ブレンドコーヒー」が中心。
昭和〜平成初期の喫茶文化を思わせる、しっかり苦くて香ばしいコーヒーをイメージしています。
進化を続けるコーヒー業界の恩恵を受けつつも、慣れ親しんだ青春時代の味わいもまた大切にしたい価値観のひとつ。
そんな思いと自作の焙煎機の特性を最大限に活かした、レトロでどこか懐かしいコーヒーを目指しています。

黒猫珈琲焙煎所の由来

名前の由来は、とてもシンプルで、正直なところ深い意味はありません。
飼っている黒猫がモデルになっており、妻の「猫でよくない?」というひと言で決まりました。
メインにしたい深煎りブレンドコーヒーのイメージと黒猫の雰囲気がぴったりだったのも、理由のひとつです。
(以前はもう一匹トラ猫もいたのですが、今は黒猫一匹です。トラ猫は別のブレンドコーヒーのモチーフにしています)

そんな流れもあって、当店の商品名はすべて猫をモチーフにしています。

焙煎とブレンドに関する考え方

ベースにあるのは、「レトロな喫茶店のような、しっかり苦くて香ばしい味わいが好き」というシンプルな理由です。

使用している焙煎機は、自作の直火式。
昨今主流のスペシャルティコーヒー向けの繊細な焙煎とは異なり、直火式ならではの力強い火の入り方が特徴です。
作業場は外気温の影響を大きく受ける環境にあり、冬には氷点下20度を下回ることも。
焙煎機の温度が十分に上がらず品質保証ができないため、冬季はあえて休業とし、無理のない運営を心がけています。

こうした環境もあって、安定した焙煎プロファイルを細かく再現するのは難しく、どうしても「勘と経験」による職人的な焙煎が中心になります。
このような環境でスペシャリティコーヒーを見よう見まねで作っても中途半端なものしかできません。
ならば、焙煎機の特性を最大限に活かしたコーヒーを作り差別化をしたいという気持ちもありました。

また、ブレンドコーヒーを選んだ理由は、シングルオリジンでは出せない味の重なりに魅力を感じているからです。
学生時代にモカマタリの深煎りが好きで、真っ先に焙煎したのがモカマタリでしたが、近年は品質や流通量が不安定な状況で思うようにいかず。
ならば「複数の良質な豆を組み合わせ、独自のブレンドでその記憶を再現する試み」という実験の結果、自分が飲みたい味を作れた成功経験も、この形に辿り着いた要素です。

環境の制約、発想の転換、そして自身の体験。
それらに加えて、興味のあるスペシャルティーコーヒーを無制限に買えない経済事情などなど(笑)
色々な要素が重なって、今の焙煎スタイルができあがりました。

焙煎所が出来上がるまで

実は、自家焙煎を始めたのはごく最近で、令和6年に入ってから。
もともとカフェイン中毒気味で、コーヒーとは良くも悪くも長い付き合いでした。
自家焙煎にも興味はあったのですが「手を出したらヤバい!」という本能的な危機感があり、長らく避けていました。

ところが、昨今の物価高と“某悪い友人”の影響で「生豆を買って自分で焙煎したほうが安上がりなんじゃ?」と変な計算をしてしまい……(ついでにAmazonでポチポチと)。
案の定、見事に焙煎沼にハマり、そこからは沈下する一方です(笑)

焙煎用の作業場も、富良野市内でキッチンカーとして使われていたキャンピングトレーラーが老朽化のため廃車になり、なぜか我が家の裏に設置されることに。
これも例の“悪い友人”から突然、「ちょっと置かせてくれない?」と連絡があったのがきっかけ。
いつの間にか名義まで私になっており、経緯はいまだによくわかっていません(笑)

ただ、「自由に使っていいよ」と言われたので、「じゃあ、せっかくだし何かやるか!」と。
頭は悪いのに行動力だけはある大人たちが、本気で遊びはじめた結果がこの焙煎所です。

焙煎機はホームセンターで買い揃えた材料でD.I.Yした直火式を使っています。(詳細はこちら
正直、業務用の焙煎機は予算オーバーで、フジローヤルのサンプルロースターも熱源の問題で断念。
で、YouTubeやブログを参考にしながら自作してみたら、思いのほか良い出来になりました(笑)

「焙煎所とか作ったら面白いかもね〜」という妄想はしていましたが…。
やっぱり「自家焙煎に手を出したらヤバい!」という本能は正しかったのかもしれません。

令和6年4月に100g程度の焙煎機をAmazonで購入し、5月には1kg対応の焙煎機を自作。
6月にはトレーラーが設置され&正式に届出を出して開業、9月にはECサイトで販売開始というスピード感も異常です。
(さらに赤字になることもなく&大きくも儲かっていませんが、今期も順調に継続をできているのも驚きです)

“引きの強さ”だけでなく、“良からぬ流れ”にも巻き込まれているような気もしますが…。
そんな不思議な勢いに流されながら、今日も焙煎を続けています。
(正直、自分でもちょっと怖いです)

今後の方向性

今後も、基本的に直火式焙煎機を使ったオリジナルブレンドコーヒーを主軸に活動を続けていく予定です。
単純に私が飲みたくて作り始めた“昭和っぽいオールドスタイルのコーヒー”を求めている方が意外と多かったのも、大きな励みになっています。
今後もこの世界観を共有できる方々と、ゆるく、楽しくつながっていけたら嬉しい限りです。

正直、シングルオリジンにも興味はありますし、予算に余裕があるときは積極的に買いたいと考えています。
ただ、環境的な制約や、他の人と同じことをやっても埋もれてしまう…というのも先に述べた通りです。
そのため、ブレンドコーヒーが基本にはなりますが、珍しい豆が手に入ったときや気分が乗ったときには、数量限定の企画商品を焙煎することも考えています。
同時に“日常使いのコーヒー”というコンセプトもあるため、可能な限り安定供給ができるよう努めていきます。
(とはいえ、生豆の品薄や価格高騰など、なかなか読みづらいところもありますが……)

そんな感じで、これからものんびりと、本業に支障が出ない程度にやっていきます(笑)
これからもよろしくお願いいたします。

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