臨床の日々徒然

”鍼灸師”という生業を通して思う事。

身体は、骨や筋肉がそれぞれ独立したパーツとして機能しているわけではない。

当たり前と言えば当たり前だが、リクエストの大半は個々別々に扱われる。

首が動かない。
頭が痛い、薬もいまいち効かない。
膝が痛い。

だから、どうにかして欲しい。

だが、全部連動している。
症状がそこに現れるだけである。
原因は別の場所。
そんなことは珍しくない。

首が動かない主な原因が腸腰筋だったり、
頭痛の原因が腕や肘にあったり。
膝の痛みに対して、臀部に鍼を刺したり。

身体とは面白くも不思議で。
それでいて、相変わらず訳がわからない。
神様とやらが人間を作った…とは聞かされてはいるが。
取説を置いていってくれなかったのは、心底不親切だと思う。

そのため臨床では痛い場所だけを見ない。

まず、お腹。
首。
背中。
手首で脈の状況。

全身を触る。
反応を探す。

例えば肩こり。
「肩こりが辛い」と言われたとしても、最初に肩へ鍼をするとは限らない。

まず、確認するもの。

・瘀血(おけつ)
・免疫系の反応。
・胃気

この三つ。

瘀血は血液循環の滞り。
腹部に瘀血の反応があれば最優先。
治癒力にブレーキがかかっている状態だからである。

次に免疫系。
扁桃炎。
副鼻腔炎。
繰り返す感染症。

こうした症状を繰り返している人は、身体の回復力そのものに影響していることがある。

そして胃気。
東洋医学では身体を支える土台。
長野潔先生曰く「胃経は陽経の王である」とのこと。

胃気が弱い。
疲れやすい。
気圧の変化に弱い。
回復に時間がかかる。

そんな傾向も見えてくる。

肩こり。
その奥にある瘀血。
免疫系。
胃気。
日頃の不摂生がバレる瞬間でもある(笑)

とりあえず、順番に整える。
身体が本来持つ働きを引き出す。
あとは体が勝手に治してくれる。

そんな発想。

理論は大切。
実践はもっと大切。

身体に触れる。
反応を確認する。
変化を確かめる。

その繰り返し。
やってることは、身体が治ろうとする動きのサポート。
例えるなら、ただの整理整頓。

だから結局のところ、毎回”全部”やることになる(笑)
そして、日頃から身体を丁寧に扱っている人は、回復も早い。

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